以前に、「住宅の検査制度(1)」についてお話しました。このときは、建築基準法で定めている検査についてお話しました。
住宅業界には、これ以外にも様々な検査や保証制度があります。建築基準法で定める検査は「義務」ですから、必ず行わねばなりません。なかには、違反建築をしている住宅もありますし、違反建築を行うことを当然のように考えている不動産会社があるのも事実です。
建築基準法で定める検査以外は「任意」の制度です。ですから、住宅によって任意の制度は何も利用していないケースもあれば、積極的に採り入れているケースもあります。
そして、同じ事業主やハウスメーカー、工務店などであっても、現場によって任意の制度を利用する現場と利用しない現場を使い分けていることもよくあります。つまり、購入検討中の一戸建てやマンションについて、どのような検査・保証制度を利用しているのか、消費者が、都度、確認していく必要があるわけです。
もちろん、検査を行うわけですから、消費者にとってはプラスであるはずです。安心を得られるはずですから。しかし、残念ながら適切に検査が実施されていないケースもよく見られ、私の会社で検査に行くと検査機関の見落としなどを見つけてしまうことがあります。
個人的な考えですが、これら任意の検査や保証制度は、「無いよりはあった方が良い」と考えています。しかし、過信は禁物だと実感もしています。消費者の皆さんとしては、その検査機関が行う検査内容、検査範囲、検査回数などについてよく確認しておく必要があるでしょう。
また、保証内容についてもどのような場合に、保証の対象となるのかも確認するのは当然でしょう。
任意の検査には、大きく2つに分けられます。「検査費用の負担を誰がするのか?」という点で分けることができます。
(1)不動産会社・ハウスメーカー・工務店等の住宅供給事業者が負担するケース
(2)消費者が負担するケース
上記1は、検査機関から見たお客様は、その住宅に住む消費者ではなく不動産会社等となっています。これに対して、上記2は、実際にその住宅に住む消費者がお客様です。
また、上記1の場合、検査機関は継続的に検査業務の仕事を受注する必要があります。
このような仕組みから、制度そのものに少々無理があるともいえるでしょう。ただ、繰り返しますが、「無いよりはあった方が良い」と考えています。特に、これらの検査機関の場合は保証があります。検査漏れがあっても、保証が役立つことがあり、改修費用を負担してもらった現場を見たこともあります(改修計画・相談・工事などが大変なのですが)。
そして、上記2の場合ですが、構造部分以外のが検査対象となっていることが多いです(会社や検査サービスによって異なるので要確認)。これは非常に大事なことです。
実は、建築に関するトラブルは、構造に関しないことの方が圧倒的に多いものです。上記1の場合、保証されることが多いですが、その保証内容も構造に関することやそれプラスαに限られています。最もトラブルとなりやすい構造以外の施工不良が対象となっていないのです。はじめから検査対象外であることが一般的です。
これに対して、上記2は、構造以外の部分も検査対象としていることが多く、建築後(入居後)の建築トラブルを極力抑えることができます。
検査制度の基礎についてお話しましたが、今後は、より詳細な情報も提供していきたいと思います。
建物検査・内覧会立会いのアネスト


by 荒井 康矩
住宅の検査制度(1)